住宅ローンを利用している40代の子持ち家庭にとって、万一のときに住宅ローンがどうなるかは、生命保険を考えるうえで重要なポイントです。
住宅ローンを組むときに加入することの多い「団信(団体信用生命保険)」には、契約者が死亡した場合などに、住宅ローンの返済負担をなくす役割があります。
では、団信に加入していれば、家族のための生命保険は必要ないのでしょうか。
答えは、家庭によって異なります。
住宅ローンの負担がなくなっても、遺された家族の生活費や子どもの教育費までなくなるわけではないからです。
この記事では、団信の基本的な仕組みと生命保険との違いを整理し、団信がある家庭で死亡保障を考えるときのポイントを解説します。
団信とは?住宅ローンに関係する保障
団信は、住宅ローンの契約者に万一のことがあった場合に備える保険
団信は「団体信用生命保険」の略称です。
住宅ローンの契約者が死亡した場合など、加入している団信の契約で定められた支払事由に該当すると、保険金によって住宅ローンの債務が弁済される仕組みです。
例えば、夫が住宅ローンの契約者で、団信の保障対象となる事由に該当した場合、契約内容に基づいて住宅ローンの返済負担がなくなることがあります。
その結果、遺された家族は、それまで支払っていた住宅ローンの返済を続ける必要がなくなります。
ただし、保障の対象や支払条件は団信によって異なります。死亡時の保障だけでなく、疾病などに対する特約が付いているものもあるため、実際の契約内容を確認することが大切です。
団信があっても、家族の支出がすべてなくなるわけではない
団信によって住宅ローンの返済負担がなくなることは、遺された家族にとって大きな意味があります。
一方、住宅ローン以外の支出は引き続き発生します。
例えば、次のようなお金です。
- 食費や水道光熱費などの日常生活費
- 子どもの進学にかかる教育費
- 通信費や交通費などの生活関連費用
- 住まいの維持管理にかかる費用
つまり、住宅ローンの返済負担がなくなることと、家族が生活していくためのお金が不要になることは別の話なのです。
この違いを押さえておくことが、団信と生命保険の関係を考える出発点になります。
団信と生命保険は何が違う?
団信は住宅ローン、死亡保険は遺された家族の生活に関係する
団信と一般的な死亡保険では、主に備える対象が異なります。
団信は、契約内容に定められた条件を満たした場合に、住宅ローンの債務が弁済される仕組みです。
一方、死亡保険は、被保険者が死亡した場合などに保険金が支払われ、遺された家族の生活費や教育費などに充てることができます。
それぞれの役割を簡単に整理すると、次のとおりです。
- 団信:住宅ローンの返済負担に備える
- 死亡保険:遺された家族の生活に必要なお金に備える
もちろん、実際の保障内容は契約によって異なります。
大切なのは、団信と死亡保険を同じものとして考えないことです。
団信に加入しているだけでは、生命保険が必要かどうかは決められない
「団信に加入しているから、生命保険は必要ない」
そう考えたくなるかもしれません。
しかし、団信で住宅ローンの返済負担がなくなったとしても、遺された家族の生活費や教育費は必要です。
反対に、団信がある家庭だからといって、必ず大きな死亡保障を用意しなければならないわけでもありません。
必要となる保障額は、子どもの年齢、配偶者の収入、預貯金、公的保障などによって変わるからです。
そこで重要になるのが、住宅ローンだけを見るのではなく、家族に必要なお金と、すでに準備できているお金を分けて考えることです。
団信がある家庭の死亡保障を考える3つのポイント
住宅ローン以外に、どのようなお金が必要かを考える
まず考えたいのは、万一のときに遺された家族が今後どのような支出を必要とするかです。
特に子どもがいる家庭では、生活費に加えて、これからの教育費も考える必要があります。
子どもがまだ小さい家庭と、すでに高校生や大学生になっている家庭とでは、今後必要になるお金も異なります。
また、配偶者が働いているかどうか、今後どの程度の収入を見込めるかによっても、家計の状況は変わります。
死亡保障を考えるときは、まず自分の家庭で必要となる支出を整理することが大切です。
遺族年金や配偶者の収入など、準備できるお金を確認する
家族に必要なお金を考えたら、次に確認したいのが、その支出を支えることのできるお金です。
主なものとして、次のようなものがあります。
- 遺族年金などの公的保障
- 配偶者の収入
- 預貯金などの自己資金
- すでに加入している生命保険などの保障
遺族年金は、亡くなった方の加入状況や遺された家族の状況などによって、受給できる年金の種類や金額が異なります。
そのため、「遺族年金があるから大丈夫」と決めつけず、自分の家庭ではどのような保障が見込めるのかを確認することが重要です。
遺族年金の仕組みや、会社員と自営業で異なる点については、次の記事で詳しく解説しています。
▶40代子持ち家庭の遺族年金をわかりやすく解説|いくら・いつまで・会社員と自営業の違い
必要なお金と準備できるお金を整理してから、生命保険を考える
必要となる支出と、遺族年金・配偶者の収入・預貯金などで準備できるお金を整理すると、不足する部分が見えてきます。
その不足分に対して、生命保険などでどのように備えるかを考えます。
例えば、子どもが小さく、今後長い期間にわたって生活費や教育費が必要になる家庭では、一定期間の死亡保障が必要になる可能性があります。
一方、子どもが成長している家庭や、配偶者の収入・預貯金が十分にある家庭では、必要となる保障額が異なることもあります。
団信に加入しているかどうかだけで判断せず、家庭ごとの収支を踏まえて考えることが大切です。
必要保障額の基本的な考え方については、こちらの記事も参考にしてください。
▶40代子持ち家庭の死亡保障はいくら必要?必要保障額を5分でシンプルに決める方法
自分の家庭では、どう判断すればいい?
団信があるから生命保険は不要、あるいは必ず必要と、単純に判断することはできません。
住宅ローン以外に必要となる生活費や教育費、遺族年金、配偶者の収入、貯蓄などを確認し、自分の家庭に必要な死亡保障を考えることが大切です。
具体的な必要保障額の考え方については、以下の記事も参考にしてください。
▶40代子持ち家庭のための「必要保障額」完全ガイド|もう迷わない生命保険の決め方
まとめ:団信だけで判断せず、家庭に必要な死亡保障を考える
団信は住宅ローンの負担に備えるものであり、遺された家族の生活費や教育費まで保障するものではありません。
団信だけで判断せず、遺族年金や貯蓄なども踏まえて、自分の家庭に必要な死亡保障を考えましょう。
具体的な家庭のケースで考えたい方へ
団信と生命保険の関係を、具体的な家庭のケースを通じて理解したい方には、有料noteも用意しています。
元保険営業として、これまで多くの契約を見てきました。
その中で感じたのは、「とりあえず多めに入る」か「よく分からず不足している」か、極端なケースがとても多いということです。
当時はそれが当たり前だと思っていましたが、今振り返ると、必ずしも最適な選び方ではありませんでした。
このブログでは、40代で子どもがいる家庭に向けて、「多すぎず、不足しない」ちょうどいい死亡保障の考え方を、できるだけシンプルに解説しています。
難しい専門用語ではなく、「自分の家庭ならどう考えるか」が分かる内容を意識しています。
